最近読んだ音楽書籍6冊を一挙紹介。どれも素晴らしかったのですよ。

最近読んだ音楽書籍6冊を一挙紹介。
新しいものばかりではないですが、どれも自信を持って勧められるものです。
読書って、音楽って素晴らしい!

スティーヴン・ウィット (著), 関 美和 (翻訳)『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』
CDが売れなくなったのは時代の流れではなく、人々の欲や策略のせいかもしれない。
これはとても興味深い1冊でした。CDからmp3、ダウンロード、そしてストリーミングと変遷してきたそのドキュメント。
事実は小説より奇なりを地で行くストーリーに仕上がってます。全ての発端は筆者の一つ疑問「音楽はいつから無料になったんだろう」から始まります。我々もよく知るナップスター以降?でもそれ以前も音楽ファイルはネットのどこかにあった、それはどこだ?
そしてその謎を解き明かす探偵物語のように話は複数の線を辿りながら進んでいきます。
中心となる線は3本。一つはインターネットのとそこに生まれた、音楽を無料で手に入れることのできる(我々の世界でいうところの違法アップロード)できる環境、世界の住人たち。もう一つは、アーメットアーティガン以降の音楽業界を独占するようになったエグゼクティブ、ダグ・モリスの物語。それはレコード会社側から語られた話でもある(もちろんレコード会社にとってはネットに音楽を上げている人間は敵)。そして、3本目がある意味音楽を無料にすることを可能にした張本人(たち)とも言える、データ圧縮の技術者たちの話(MP3の開発と、それが世間に認められるまでの闘い)。これらが絡み合って、まるで映画や小説のように進んでいきます。どれか一つでも大変だと思いますが、その全てを綿密な調査と地道なインタビューで作り上げた筆者を尊敬しちゃいます。
なぜ発売前のアルバムがネット上に上げられてしまったのか、その答えはあまりにシンプルなのですが同時に驚愕もしてしまいます。

そう、ネット上に無断で上げられた音源や動画というのは、野に咲く花のように自然に育ったわけではなく、必ずどこかで誰かが何らかの意思をもって上げているわけです。
そんな当たり前のことに今更ながら気付かされるし、なぜ今のような世界になったのかの一端も解明されちゃいます。
ダウンロードやストリーミングが主流になったのは必然ともいえるし、一部の人々の思惑だったとも言える。ボタンの掛け違えが起きれば、それは今とは違ったものになったかもしれない。そんな想像も膨らんでいきます。

完全に音楽の裏舞台の話ですが、それだけに知らないことばかりで興奮の連続でした。
ただ、表舞台の有名人もエピソードやアップロードされる対象として登場します。
たとえばスティーブ・ジョブズだとか、Jay-Zとか。

音楽好きにとっては面白くないはずがありません。が、同時に考えさせられもします。
善人や悪人はその場所その瞬間にはいるのかもしれないけれど、勧善懲悪なんてものは実際の世の中にはない。
決して清々しい気持ちになる本ではないし、感動を呼ぶわけでもないです。
けれど心に何かをもたらしてくれます。
音楽に金を払うのは当然だという世代も、その行為自体が何のことか理解できない世代も、どちらも読んで欲しいです。
誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち
誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち
スティーヴン・ウィット 関 美和

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続いてはジャケット関連本2冊。

山口‘Gucci’佳宏 鈴木啓之 (著)『昭和のレコード デザイン集』
日本のレコードジャケット。その丁寧かつ独特な作りは今も昔も変わらず魅力的。特に昔の日本盤ジャケはほんとセンスがあって味がある。たとえば多く色が使えないなら単色で工夫、デザインで勝負とか、独特で印象深いタイポグラフィとか、いちいちセンスが良いし、ほんと見てるだけで楽しいです。
そしてどんな音が入ってるのかとか、どんな状況で作られたのかなんて考えるだけでも楽しくなってきます。あれ?俺だけ??
昭和のレコード デザイン集 (P-Vine Books)昭和のレコード デザイン集 (P-Vine Books)
山口‘Gucci’佳宏 鈴木啓之

【昭和】 幻の4曲入りレコード大全 洋楽日本盤のレコード・デザイン シングルと帯にみる日本独自の世界 明治・大正・昭和のラベル、ロゴ、ポスター―懐かしい日本のグラフィック・デザインが1000点収録 広告マッチラベル:大正 昭和-上方文庫コレクション(紫紅社文庫) 60'sガール・サウンズ・ディスク・ガイド 配色事典―大正・昭和の色彩ノート 洋楽名盤の広告デザイン 和モノ A to Z Japanese Groove Disc Guide 来日ミュージシャンのポスター&フライヤー  デザイン集    Live in Japan Graphic Chronicle 1965-1985 浪漫図案 明治・大正・昭和の商業デザイン

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そしてレコードから引き継がれたのがCDジャケット。よくCDはレコードと違って小さいからツマラン、みたいな話がでますが、それって残念だなとも思います。この本にあるように、小さいからこそやれることもあると思います。もちろんレコード大好き人間ですけどCDジャケットにはCDジャケットなりの良さや、見せ方があると思ってます。もはや死滅寸前のフォーマットかもしれないけど、あえての逆張りで楽しみたいです。2004年のものですが、まだCDがちゃんと息していた時のものなんで、ちゃんとしてます。デザインとかレイアウトの仕方とかも詳しく載っています。
CDジャケットデザインREMASTERCDジャケットデザインREMASTER
宮川 千春 I&D

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レコードはじめて委員会 (著)『はじめてのレコード これ1冊でわかる 聴きかた、探しかた、楽しみかた』
以前も紹介しましたが、改めてちゃんと読みました。
「レコードに興味あるけどなんか敷居高そう」を解消してくれる初心者にとても優しい一冊になってます。
レコードを長年聴いている人も、最初の頃のドキドキを思い出させてくれるます。私も(マニアではないですが)改めてレコードを聴く歓びを噛み締めたいと思います。
はじめてのレコード これ1冊でわかる 聴きかた、探しかた、楽しみかた
はじめてのレコード これ1冊でわかる 聴きかた、探しかた、楽しみかた
レコードはじめて委員会

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牧野良幸 (著, イラスト)『僕のビートルズ音盤青春記 Part2 1976-2015』
赤盤青盤でいうと青盤にあたる本作。1976年から現在(2015年)まで、常にビートルズの音楽とともに過ごしてきた40年のビートルズ遍歴がイラストと文章で描かれます。ビートルズ好きにはその人その人のエピソードや思い出が存在するのです。
若い頃の情熱は変化してしまっても、親父なりの接し方があるし、それを見せてくれてます。リヴァプール、ロンドン訪問記なんて若者には無理ですもの。今回もビートルズファンには楽しい1冊です。目線が我々一般の人と同じなんだよなぁ。だから好感が持てます。
僕のビートルズ音盤青春記 Part2 ~ 1976-2015 ~ (CDジャーナルムック)
僕のビートルズ音盤青春記 Part2 ~ 1976-2015 ~ (CDジャーナルムック)牧野良幸

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『たった1人のフルバンド―Logic message YMOとシンセサイザー』
読んだのは復刻版なんですけど、もとの初版は1981年刊行、その後絶版状態となってしまった1冊です。
なので高値で取引されていて読めるはずもないと思っていたんですけど、図書館にあったので借りて読みました。
復刻版ですが。ただこの復刻版も『松武秀樹とシンセサイザー「限定愛蔵版」 【MOOG III-Cとともに歩んだ音楽人生】』の付属特典だったとおもうんですけど・・?


まぁ、なんかラッキーということで。中身はざっくりいうとYMOとその周辺の人たちとの音楽的交友、そして当時はまだ発展途上、未知の楽器だったシンセサイザーについての2つが書かれています。YMOの話は第4のメンバーとも言える松武さんから語られる話なわけですから面白くないわけがありません。そしてシンセサイザーに関してもその道を切り拓いてきた人物ですから、それはもう貴重です。
YMOの使用機材や、楽曲制作についても多く語られていますのでYMOファンはまさに必読の書でしょうね。
だからこそ手に入れやすくして欲しいものですけれど。
たった1人のフルバンド―Logic message YMOとシンセサイザー
松武秀樹
勁文社
売り上げランキング: 1,924,478


今回はほんとにどれも面白かったです。
いや、いつも面白いものだけ紹介してますけど。
はい、私が真正面からオススメさせていただきます!!


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