世界文学全集「太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは」

フランスの女性作家、思春期の女性を描いている、確かに共通点はあるけども、
少し強引な組み合わせのきがしないでもない今回の世界文学全集、4冊目でゴザイマス。

いったいいつ全巻読破できるのでしょうか(笑)?



マルグリット・デュラス「太平洋の防波堤」

なんというか、暑さや湿気が伝わってくる文章です。

ドロドロして、湿っていて、貧しくて、退屈で、やってられない、
嫌気のさす毎日をそれでも送らなければならない。

少女とその家族の濃密な「生」が息づいている、そんな作品です。


同じくデュラスの「愛人 ラマン」
こちらはタイトルはあまりにも有名ですね。映画化もされていますし。

デュラス自身の伝記的要素の濃いこの作品。こっちのほうが「太平洋の防波堤」より読みにくかったかな。

どちらの作品にも言えるのですが、女性の男性には計り知れない部分が垣間見れる、
というより、見させられる気がして、少し痛みを覚えます。

女性の美しく柔らかい部分に隠された、男性にはわからない「何か」、それを文章化したような。

この文章が駄目な男性は少なからずいるかもしれないですね。



フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」は、

これはワタクシ正直ナメてました、反省。

若さというものは時に凄まじいものを生み出すことがあるというわかりやすい例だと思います。

若さって恐ろしい。そして若くなければ書けない作品。

ただ、2012年の今、日本に住む一人のおっさんは、登場人物に感情移入はできませんでした。

文章の巧さに感心はしますが。

若い時に読むとまた違った印象を受けたのではないかと思います。

読書にはそういう面白さがありますよね、

読んだ時の自分の精神状況や立場、環境によっても本の印象は変わる。

ある意味いつどこでその本と出会うかってことが重要になってくる。

ただ、そんな中でも自分にとって必要な本「今の自分に読まれるために存在する」かのように思える本に出会ったりするんですよね、うまい具合に。そしてそれが忘れられない読書体験になる。

3作品とも、爽やかな読後感はないけれど、心に小さなトゲが刺さる1冊です。

太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4)

フランソワーズ・サガン,マルグリット・デュラス 河出書房新社 2008-03-11
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ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」を読んだ。

半年以上振りです・・世界文学全集読破の旅。

第三弾、「存在の耐えられない軽さ」を読みました。

読後に一番に感じたことは、

自分の知識の足りなさと、読書量の少なさを思い知らされた、とういうことでした。


チェコの歴史を知らなければ、「プラハの春」についてもよくわかっていない。

ゆえにこの小説の根底に流れる、背景や歴史がうまく掴めない、

さらに読書量の少なさからいつも感じていることなのですけれど、

物語の中に潜るとでもいうのでしょうか、深く入り込むまでに時間がかかる、

読み進めていかないとうまく物語と通じ合えないということが起こります。


今回の「存在の耐えられない軽さ」はそれがいつも以上に顕著に表れて、すこし凹んでいます。

まだまだだなぁって。

後半になって少しずつこの本のユーモアとアイロニーがわかってきて、面白くなってきました。

ストーリーはうまく説明できません。

主要な登場人物は、男2人、女2人(と、たまに作者)で、その男女の物語ではあるのですが、

その中にいろいろな事柄がごろっと転がっている。

哲学ともいえるしただのジョークともいえる、

恋愛、セックス、心と体、社会主義・・・。

「存在」の軽さ、重さ・・・。

この作品自体が軽いのか、重いのか・・?

私にははっきりとわからなかった。

ただ、途中で投げ出すことなど決してできない、不思議な魅力のある作品です。

存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)
存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)ミラン・クンデラ 西永 良成

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↓は作者のミラン・クンデラがその後、

作品の映像化、映画化を一切許可するのをやめたという、フィリップ・カウフマン監督の映画。

そんなこといわれたら逆に観たくなる(笑)。

出演もダニエル・デイ・ルイス、ジュリエット・ビノシュと悪くなさそうなんだけど。
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バルガス=リョサ「楽園への道」を読んだ。

世界文学全集、ようやく2冊目です。

目標の全巻読破まではもうどうしようもないくらいゴールが見えません・・。でもやります!!

今回はマリオ・バルガス=リョサの「楽園への道」です。

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

バルガス・リョサと聞いて、最近ニュースで聞いた気がするという人は鋭いです。

そう今年のノーベル文学賞受賞者です!!

ただ話題だから読んだわけではなく、この作品はひと月以上前から読んでまして、つい最近読み終えたのです。

なので読んでいる途中で、受賞のニュースを聞いてすごく驚きました。

まず思ったのは、

「こんなに読みにくいのに!!」
です。←この作品だけかもしれないですけど、ワタクシだけかもしれないですけど・・・・。

後半は一気に読んだのですが(決してノーベル賞のニュースを聞いたからではありません!(笑))、

前半部分は相当苦戦しました。

主人公二人、フローラ・トリスタンとポール・ゴーギャン(祖母と孫の関係)のどちらも自分に入ってこなかったからかもしれません。

労働者と女性の解放のために生きた革命家、フローラ

画家、ゴーギャン

世に中に認められない芸術家と革命家。

どちらも酷い人生なのだが、なぜか二人は前を向いている。あまりに妄想的ではあるのだけれど。

二人に共通しているのは、そんな酷い人生ながらもポールがいうところの、「楽園」を夢見ていることであろう。

そのために二人は前を向き続けている、動き続けている。

そしてそれが裏目に出ていたとしても後悔していない。

停滞より、動きを起こすこと、それが何もしないよりかはマシだと二人には教えられる。

たとえそれが結果として破滅に向かっていたとしても。

そんな二人の人生が作者の手によって鮮やかに描かれている。

イマジネーションの凄さを教えてくれます。

多くの語りの部分で、作者か神様か、ポール、フロリータ自身の声か、ツッコミが常に入ります。

これがこの作品を特徴付けているといっても過言ではありません(そうだねコケ、そうだねフロリータ)。

これは好みの分かれるところかもしれないですね。

最後に是非やってみて欲しいことがあります。

読み終わった後、ゴーギャンの絵を是非グーグルの画像検索でもいいので見てみて欲しいのです。

そうすると一気にこの「楽園への道」にも色が付くと思います。

なんだかわからないけど何かを残してくれる、そんな作品です。

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)
楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子

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